NANO universe

Jeremy Quartus (from Nulbarich)×NANO universe SPECIAL COLLABORATION ITEM|NANO universe|

Jeremy Quartus (from Nulbarich)×NANO universe SPECIAL COLLABORATION ITEM|NANO universe|

Jeremy Quartus×NANO universe

Special Collaboration

Nulbarichのボーカル・JQによるソロプロジェクト、
Jeremy Quartus。彼は2024年、
Nulbarichの休止を発表するとほどなくしてソロプロジェクトをスタート。昨夏にはソロとして初音源をシーンに届け、数ヶ月後には初ライブのステージに立った。その後も定期的に作品を発表し、5月には4枚目のシングルとなる『STILLNESS』をリリース。改めてその才をシーンに知らしめた。一見、順風満帆のようにも聞こえるが物事はそう単純ではない。ソロとして活動してきたおおよそ1年の時間。それを振り返ると、彼の口からついて出るのは多くの葛藤や産みの苦しみ。ただ、その先に彼は進むべき方向性と確かな手応えを得た。そんな中、実現したナノ・ユニバースとのコラボレーション。その詳細と共に彼の現在地を、リアルな声と共に紐解く。

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Jeremy Quartus×NANO universe

Special Collaboration

ITEM LINEUP

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Spacial Interview

あっという間だった一年、
しんどかった一年

「あっという間でしたね」。ソロプロジェクトをスタートさせてからの一年余を、彼はそう振り返る。時代の変化、周囲とのギャップは葛藤を生む要因になり、いくつものトライ&エラーを繰り返してきた。そんな中、やっと方向性が定まってきたと彼は頬を緩める。

「最初の頃はソロとバンドの差別化に悩んだりもしましたけど、1年間、これじゃね? これじゃね? を繰り返していったらなんとなく方向性が決まってきたというか。バンドじゃない自分の表現方法の可能性を感じ始めましたね。初めは何をやっても『なんか違う』が多かった。感覚的には一人称が変わっただけと思っていたし、そう言い聞かせてもいたんですけどね。生活がガラッと変わり、あったものがなくなったことを感じる1年でしたから、意識しないようにしてもどうしても意識させられちゃうというか。そこをいかに意識しないように生活するか、みたいなのがしんどかったですよね」

ひとりになって見えてくる現実がある。それを受け止め、咀嚼し、どう表現へと結びつけるか、そして、世間とのギャップに対してどう折り合いをつけるか。ハードルは思いのほか多かった。

「Nulbarich自体がそもそもデビュー当時から顔を出していなかったこともあり、世の中に僕個人がNulbarichだと思ってる人はやっぱり一定数いるんですよ。その印象のエラーみたいなものをまずは補正したいなっていうのが今の率直な本音。そのズレもだし、活動休止するというニュースがYahooニュースを見るぐらいのテンションで、表層的な部分だけ切り取られて広がっちゃったところがやっぱりあった。『お疲れさま』『残念だよ〜』って連絡がしょっちゅう来ましたからね。まあでも、どういうバンドにしていくかすら決まらないまま世の中に音だけが浸透していった感じだったので、狙ってやってきてない分、周りがどう思ってくれているかもキャッチできてなかったのは確かです。そのエフェクトがまだかかっていたけれど、それがようやく今になって外れてきましたね」

Jeremy Quartus スペシャルインタビュー

ソロ活動を通じて
見えてきたものとは

ターニングポイントとして挙げるのは、昨年秋に行われたLOCAL GREEN FESTIVAL‘25。それは、世間から見た自分のリアルが炙り出された瞬間でもあった。

「これまで、Nulbarichとして多くのフェスに出させてもらいました。少なからず僕の曲を知っている人たちがステージに来てくれて、イントロがかかれば瞬間的に盛り上げってくれる。そんなライブを10 年やってきましたけど、ソロとしての初ライブで、改めて今の自分を感じさせられたというか。メインステージで演らせてもらい順番もヘッドライナーの前。お客さんもかなり入ってくれた。でも、ほとんど俺の曲を知らなかったんですよね。俺、浮かれてたなって思いましたし、ここからが本当のスタートだなと。もう少し音楽にストイックに向き合うことが必要なんだなって思いましたし、それからはもう考えすぎなぐらい考えた1年でしたね」

そこで見出した結論は、自分はあくまでも自分でしかないということ。誰かがイメージする自分、世間が形作る姿に寄せる必要はまったくない。むしろ自分とはこういう人間であることを純粋に曝け出すことが自分にとって大事で、求めていた解答に近いという。

「ソロは自分の家をリフォームしてクリアガラスにした状態。動物園の檻の中で過ごしているゴリラのような感覚ですね。今まではイルカのショーだった。エンターテインメントとしては、ゴリラの方が深くて生々しくて難しいプロジェクトだと感じています。やっぱイルカはみんなに向けてやりますし、それに期待して多くの人が集まる。片やゴリラは普通の生活をただ見てもらうだけで、たまにガラスをゴーンって殴りに行って喜んでもらう。と考えると、何にしろ良いエンターテインメントというのはその塩梅があまりにも難しすぎる。じゃあもう素のままでいよう、もう裸を見られているような状態で割り切ろうかなと。とにかくスケルトン部屋なんでなるべくその環境に慣れて、いかにその中で自分がナチュラルでいられるかみたいなのをここ1年で精神統一してきた感覚はあります」

そして彼は、自身の成長のためにある要素を口にする。それはパンデミックのさなかに自らの経験から導き出した感覚ともリンクする。

「パンデミック時は脳みそだけが 2年間、“精神と時の部屋”にいてそれだけ育ってしまったみたいな感じになりました。やっぱり思うのは、自分のことを考える時間があり過ぎること自体、あんまりヘルシーではないなと。考えて良くなるようだったら、人と会わなくていいわけじゃないですか。人と会わないってことはめちゃくちゃラク。意図的に人に会いに行くと、やっぱ好きな人でもストレスなんです。思い通りにいかないケースもありますから。極論ですけどね。でも、自分を乱すからその人を好きになるわけで。言い換えればそれもまたエネルギー。ストレスを感じないとやっぱり何も生まれないですよね。だからエネルギーを補給しに外へ出るようにはしています。自分の成長のために」

Jeremy Quartus スペシャルインタビュー

死ぬまでに自分が
何を残したいか、
何を残せるかが今は大事

そして、 5月には『STILLNESS』をリリース。この曲についてのプロセスや想いを聞くと、今、素直に、純粋に抱えるなんのフィルターもかかっていない本音が垣間見られた。

「パンデミックもそうだし活動休止もそう。ここ5、6年、当たり前だったものが当たり前じゃなくなった。この曲はそれに対し、シンプルに心の整理もつけずリリックを書いてみたという感じ。そんなことが今後もボコボコ起こるだろうし、今は幸せな生活をさせてもらっているけどいつどこでどうなるかわからないっていうのは僕の人生を遡っても大なり小なりあったなと思って。自分の中で当たり前だった存在が失われた過去をなんだろうと振り返って、それに対しての感情を貫いた曲ですね」

そして、先月には以前リリースした『UP TO THE MINUTE MIXTAPE』のアナログ盤が発売された。ストリーミング配信が一般的となったこの時代に、なぜ?との問いに、彼は真摯に答える。

「死ぬまでに自分が何を残したいかというと、そこにいたという証なんだと思います。自分以外の分身をいかに死ぬまでに作っていくか、僕を思い出すものを何個残せるかが生きていく欲を支えているところはあります。親がアクセサリーを形見として残すみたいに。俺ができることは音楽なんで、音楽ってやっぱフィジカルで感じられるものに落とし込まないと体感しづらいですから、それでレコードが一番いいかなと」

それを考えれば、今回のナノ・ユニバースとのコラボレーションも意味があると言葉を繋ぐ。

Jeremy Quartus スペシャルインタビュー

「Tシャツを手に取ってそれを物で持っておくと、着た人たちはやっぱりその日、その人、その音、その空気を思い出す。必ずそこにいろんなトリガーがあって、そこから広がる思い出ってありますよね。無限のハードディスクみたいなもんだと思っています。見た人、聞いた人が自分の記憶とリンクさせて、そこからいろんな情報のバックアップが取れるというか。そういう意味ではいい機会になったなと」

コラボレーションのアイテムには彼の要望もふんだんに盛り込まれた。まさに唯一無二。その出来栄えに彼も満足げだ。

「いろいろわがままを言わせてもらいました(笑)。ただのプリントTにするだけでなく、素材にオリジナルの加工を加えてほしいだとか。で、触ってみたらまずこれがコットン100%っていうところに驚いています。スポーティーな生地ですけどタッチはサラサラ。ほかに、サングラスとスウェットがありますけど、やっぱり普段使いできるものがいいですよね。これが僕との思い出を繋ぐ媒介になればいいなと」

進むべき方向が確認できたところで、その先についても話を向けてみた。すると彼は「(Nulbarichの再開は)タイミングが合えば僕は本当に今でもいいと思ってます」とさらり。ファンとしては願ってもない一言だろう。そして今後の目標に、バンドとソロの両軸で2倍好きなことをやることを挙げる。その言葉に思わず期待が膨らむが、今はその時が訪れるのを静かに見守りたい。

Jeremy Quartus

PROFILE

Jeremy Quartus
(ジェレミー クォータス)

2025年7月より活動開始。作詞・作曲・編曲・プロデュースのすべてを手がけ、R&Bやヒップホップを軸に、より私的で本質的な表現を追求する。自身の作品だけでなく、ほかアーティストのプロデュースや楽曲提供も行い、プロデューサー、DJとしても活動する。

Jeremy Quartus スペシャルインタビュー
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